「育休を取って赤ちゃんと一緒に過ごせるなんて、幸せな時間に決まってる」
そんなふうに思っていた。
だけど現実は、想像を超える毎日だった。
赤ちゃんの笑顔や寝顔は確かに天使。だけど、その裏には”戦い”があった。
今日は、僕が育休中に直面した“可愛いだけじゃなかった”5つのリアルと、
それでも「取ってよかった」と心から思えた感動の瞬間について書きたい。
「寝ない」って、こんなにしんどいことだったのか
赤ちゃんって、もっと寝てるもんだと思ってた。
実際は、寝かせるのに1時間。寝ても15分で起きる。
夜中の3時、抱っこして、トントンして、歩き回って…それでも寝ない。
腕はパンパン、腰はバキバキ。それでも起きてる赤ちゃんを前に「パパの抱っこじゃダメなのか」と自信まで失いそうになった。
それでもある日、僕の腕の中でスーッと寝息を立てた瞬間。
「やっと寝てくれた…」と同時に、「俺、ちょっとだけパパになれたのかな」って思えた。
泣き止まない。全力を尽くしても、泣き止まない
オムツ替えた。ミルクもあげた。抱っこもしたし、室温もOK。
なのに…泣く。ずっと泣く。何をしても泣き止まない。
心のどこかで「母乳なら泣き止むのかな」「ママがいいのかな」
そう思うたびに、何もできない自分が情けなくなった。
でも、泣き続ける赤ちゃんをただ抱きしめ続けた夜、
ふと涙が止まった瞬間があった。
そのとき、赤ちゃんの小さな手が僕のシャツをキュッと掴んだ。
「ごめんね」じゃなくて「ありがとう」って、初めて思えた。
「ずっと抱っこ」の日々。自由なんて、もうない
床に置くと泣く。そっとベッドに置いても、背中スイッチで泣く。
食事中も、トイレも、歯磨きも、すべてが“片手で”になった。
1時間かけて寝かせても、15分で起きてしまう。
1日中、誰かを抱いて生きるって、こんなに過酷だったのかと知った。
でもある日、抱っこしていたら、スヤスヤと寝てくれた。
その頬が僕の胸にあたっていて、心臓の音が伝わっているのがわかった。
「この子は、僕の音で安心してるんだ」
そう思えた瞬間、涙がこぼれそうになった。
家事と育児の両立。止まらないタスク地獄
朝5時にミルク。おむつ。
朝食作り、洗濯、掃除。
11時にまたミルク。その後昼食準備。買い物。沐浴。夕飯作り…
1日中、誰かのために動いている。でも、やってもやっても終わらない。
「主婦って、こんなに大変なのか…」と、心の底から思った。
けれどある日、ママがふと呟いた。
「ありがとう。パパがいてくれて、ほんとによかった」
疲れが吹き飛んだ。自分のしてきたことが、少しでも誰かを救えていたのなら、
それが一番の報酬だと思えた。
それでも、やっぱり嬉しかった瞬間
育児って、報われないことの連続だと思ってた。
でも、ふとした時に笑ってくれた。
目を見て「あー」と声を出してくれた。
小さな手が僕の指をギュッと握ってくれた。
あの瞬間だけで、どんな寝不足も、どんな疲れも、
全部「また明日も頑張ろう」って思える。
おわりに
赤ちゃんは、確かに可愛い。
でも、「可愛い」だけじゃできないのが育児だった。
体力も、気力も、根気も、全部を試される。
それでも僕は、育休を取ってよかったと思う。
こんなにも近くで、こんなにも深く、
「父親になる」という実感を得られた時間は、一生の宝物だ。
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